Royue

80キロ離れた独居の母の介護を中心に起こったこと、その後の施設入所後のことを書いています。

介護38:「医者が教える非まじめ介護のすすめ」を読んで・・☆☆☆☆良かった!

 

昨日2023年6月14日に、久しぶりに図書館に行き、認知症の本を探してきました。どうも並んでいるのは、ドクターが書いた本や、介護の学術的な本が多いようですね。私が読みたいのは、素人がある日、突然に認知症に「遭遇」し、介護が始まる一連のストーリー??なのですが、それが見当たらず、やむなく「ドクターが書いた」この本になったのです。でも、結論から先に言うと、この本は良かったです。実はもう一冊、老健の施設長でドクターの書いた本も借りたのですがこれはダメでしたね。

この本は、大塚ドクターが、終末医療の病院の現場で40年、看取った方が1万人という膨大な経験値の中から、「介護する側がまじめに介護をするばするほど、介護される側もする側も不幸になっていく。」という事実に対して、じゃあどうすれば良いのかと観点で書かれたものです。

作者である大塚ドクターが、この本の出版時(2022年)に80才という年齢であり、ご本人の感想では、この年齢になると「何もかも面倒、億劫」「何をするにも一大決心」というのが本音で、残された時間は、好きなことを誰からも文句を言われずにしたいし、少々のことは目をつぶってでも、残された時間をどう使うべきか、何が本当にお互いにとって良いのかということから考えるべきだと書かれています。少々不健康とか、徹底されないとかが問題じゃなくて、いままでもこれからも「高齢者にとって大切なのは人との接触だった」し、「これこそが元気を保つ秘訣」だから、大塚ドクターの病院では、コロナでも面会をストップしなかったとのことです。

また、ちょっとびっくりしたことは、「ヨーロッパの高齢者施設では、口の中にいれてもらったスープ等を自分の力で飲み込めなくなったら、それ以上のことはしません。」とか、認知症に気づくのは、「久しぶりに会う他人」であって、「普段から接している身内」ではないこと、日本の高齢者は、「貯めるのが得意で(終末や介護で)使うのがヘタ」とか、「風呂に入らずとも人間は死なない」とかは、目からうろこでしたね。

また、最後の方で、阿川佐和子さんの「看る力」という本の中で、阿川さんのご両親の介護の話で出てきたドクターだったというのがわかりました。実は、この本は、私はだいぶ前に読んでいたのですが、「あれっ、あのドクター」という感じでしたね。

今回、図書館で借りた本を、結局2冊読みましたが、良い本に巡り合うというのも、難しいですよね。ここ何冊か、このブログでも書いた松浦晋也さんの「母さん、ごめん」①②とか、新田恵利さんの「悔いなし介護」や、久田 恵さんの「シルバーヴィラ向山物語 母のいる場所」とかは、私にとっては、たまたま巡り合えたラッキーな本だったのでしょうね。