Royue

80キロ離れた独居の母の介護を中心に起こったこと、その後の施設入所後のことを書いています。

介護49:和田秀樹さんの「わたしの人生ーわが命のタンゴ」を読んで・・・前頭側頭型認知症?

最近よく和田秀樹さんの名前を、本屋の平積みで見たり、新聞でみることがあって覚えていたのですが、例によりブックオフで見つけたのがこれ。秋吉久美子さんと橋爪功さんの表紙だったので買いました。

この本はちょっと古くて2012年のもので、「書下ろし」なのですが、それってどういうこと?と思って後で調べたら、この人は映画も作っているんですね、表紙の意味はご自身で表題の映画を制作!されたようですね。医者(精神科医)は知っていたのですが、医学本以外に、受験本とかの大量の著書があり、なんだかわからないですね。

ともあれこの本は、元大学教授(専門は英文学)のお父さんが、お母さんがなくなった後に、この認知症になったのですが、その介護でふたりの娘さんが悪銭苦闘するというストーリーで、長女は元アナウンサー、次女はアルゼンチンで仕事をするタンゴダンサーという設定です。

このお父さんが発症した前頭側頭型認知症というのは、普段は例えば大学教授であれば講義もできるほどなのに、頻繁な万引きがあったりとか、破廉恥な行為とかがあり、まわりの人も何ら変わらないと思うので、介護する側が厄介なのですね。万引きで警察から再三呼び出されたりと大変なことが書かれています。それと問題なのは、介護する側の介護うつの問題。せっかくの時期に仕事を辞めざるを得なくなることで、この物語の場合は、まあ、悔しい退職なのですが・・。

読んでから調べたのですが、この前頭側頭型認知症というのは、認知症の中の5%程度のようです。基本的には脳の萎縮で、行動や感情をコントロールすることが困難と書いてありました。

この本で私がひとつだけ違和感があるのは、これは小説だということです。リアリティがどうなのか、このブログでも書いた科学ジャーナリスト松浦晋也さん、作家の久田恵さん、中島京子さん、タレントの新田恵利さん、みんな自身の実介護体験なんですね。確かに映画にするには、大学教授、アナウンサー、タンゴダンサーと目立つ配役ぞろいのようです・・。

それで思い出したのですが、母は市がやってるカラオケ教室以外にも、市のダンス教室にも通っていて、家には、大量!のダンス用のドレス(ヒラヒラがついたやつ)もありましたね。多分タンゴもやっていたと記憶します。認知症には良いようにこの物語には書いてありましたが・・・。