Royue

80キロ離れた独居の母の介護を中心に起こったこと、その後の施設入所後のことを書いています。

介護66:映画「長いお別れ」を見て・・原作を先に読むと気になるのです!

例によってUnextの31日お試しで、以前このブログ(介護39)でも書いた中島京子さんの本で「長いお別れ」の映画化したものを見つけたので、ついつい見てしまいました。映画は良くできていますし、主人公のお父さん役の山崎勉さんも名演技なのですが、原作を先に読んでしまうとストーリーとの相違や、原作の登場人物と映画のキャストとで違和感を感じてしまうことがままありますね。

まず、主人公の元中学校の校長のお父さんは、70才の古希の同窓会に行ったものの、結局会場に辿りつけなかったのがきっかけで認知症がわかるのですが、映画では、古希の同窓会の場面がないのですね。「あれっ、どうしたの?」て感じですね

実は、私もあと2年弱で古希なのですが、最近、ある同窓会の幹事をやっている複数の友人との話で、還暦の次は65才でやろうとなっていたところ、コロナでできず、これからやろうという議論になった時に「じゃあもう古希にやろう」という意見でした。その時、私だけ「できればすぐやろう」と言ったのです・・。その理由は、この「長いお別れ」を読んでいたので、古希の場合に、このお父さんのように認知症で会場に辿り着けないとか、時間が経つにつれ、元気でない同級生も増えている?!と、考えたからです。私的なことですが、私の学生時代の同級生や会社の同期生で、よく一緒に飲んだ親しい仲間が、60才以降だけでも3人が鬼籍に入り、ガンで治療中の仲間もいますし、アルコールのドクターストップもいます。いわば、ちょっと連絡して飲もうと気軽に言える友人が徐々に減っていくのですね。だから、よくこの小説を引き合いに出して、やるなら「元気なうちで早く・・」と言ったのですがね。

もう1点の違和感。最初にこの本を読むと、主人公は私とほぼ同じ年齢から10年間の介護の話ですが、主人公の山崎勉さんが出てきた時、確か私の母とそう変わらない年齢だったのでは?と思いました。調べると1936年生まれ(私の母は1931年生まれ)で、映画の公開が2019年ですので、この時83才。まあ、主人公の最期は80才くらいですので、キャストとしては何ら問題もないですが、70才くらいの主人公の役は、少ししんどいかなあと思いましたね。まあ。個人差もありますから、これもどうでも良い話ですが・・・。

最後に、この映画で長女役の女優さんは、竹内結子さんでした。ちょうど3年前の2020年の今頃、この映画の1年後ですね。若くして亡くなった人の映画を見るってなんだか辛くて、物悲しい気持ちになりますね。この映画では、気持ちの優しい長女役でした。合掌。

 

(補足)

認知症は英語では、「Dementia」と辞書では出ますが、認知症のよる長いお別れの時間の意味で、「The Long Goodbye」と言う由ですね。(前回ブログと同じ説明です)

この映画のラストシーンでは、余韻を残しながら、長女の息子さんに、学校の先生が英語で言います。10年間の「長いお別れ」の話です。