Royue

80キロ離れた独居の母の介護を中心に起こったこと、その後の施設入所後のことを書いています。

介護81:「98歳。戦いやまず日は暮れず」・・佐藤愛子さんのエッセイ。また読んだ!

<よく考えてみると、前回のブログ同様、「介護」とは真逆の人たちの話ですが>

前回のブログで書いた佐藤愛子さんの「90歳。何がめでたい」を読んで、次は代表作の「血脈」を読んでみようと私の住むA市の図書館のネット検索をすると、「血脈」は上中下の3巻あり、そのボリュームにひるみました。たまたまこのネット検索で、上の本「98歳。戦いやまず日は暮れず」が、一番近い図書館にすぐに借りれる状態であることがわかったので、すぐにネット予約したのです。

以前からあるのでしょうが、市の図書館のネットでの検索や返却の方法(私の家の近くの本屋さんへの返却で済む)は本当に便利ですよね。難を言えば、図書館が私の家から少し遠い(3キロ)のですが、贅沢な悩みなのでしょうね。

2021年発行のこの本、ご本人98歳。すごい記憶力です。3歳から小学校の時、すなわち昭和一桁のことを鮮明に覚えておられ、小話の多くが当時のことから書かれています。佐藤愛子さんの場合に、何か記憶を強化する「いやな出来事」がいっぱいあったのでしょうね。その量がすごいのです。

また、私の母は8歳年下ですが、この本で昭和初期から戦中の世の中の様子がわかるのは面白いですね。ご本人が早く結婚(その後離婚)したのは、戦時体制の国の政策「生めや増やせや」でそれが常識だったとか、女学校(高等女学校)に入れるのはごく一部だったとか初めて知りました。私の母は、8年の差で、戦中ど真ん中世代で、女学校とは聞いていますが、このことは聞いてもほとんど言わなかったですね。多分、ほぼ混乱の中だったのでしょう。いやなこともいっぱいあって触れてほしくないのかもしれません。

佐藤愛子さんの場合、多感な10代から20代の時期を、戦中戦後の極端な常識の転換の中で過ごしたことで、世の中のことをシニカルに見れるのでしょうね。

この本も一気読みでした。痛快でした。

この本の最後の2ページに、「佐藤愛子 97年の”戦い”」と称して、年度ごとの出来事が書いてあります。波乱万丈の人生なのですが、その中で、1968年に「夫と”偽装離婚”」ってあり、2回目のご主人(田畑麦彦さん)の会社が倒産で、このようなことになったのですが、それをそのまま書いているのがこの人らしいですね。深刻だったのでしょうが、「そこまで書くの?」と思いましたね。でも、その翌年に直木賞を取るのですね。

確かに、何かが起こると、その反対の何かが起こるという人生のようです。前回のブログで書いた「90歳。何がめでたい」は、2017年の年間ベストセラーなんですね。筆を置こうとしたら、仕事が入る。これもこの人らしいですね。

佐藤愛子さん、それに「ぼけますから、よろしくお願いします。」の100歳超えの信友直子さんのお父さんもすごいです。それに、今日の新聞(下記)で見つけた茶道の千玄室さん、以前に一度テレビで「海軍特攻隊」の生き残りとして出演されたのを見たのですが、まったく矍鑠(かくしゃく)としておられます。ただただびっくりです。

今日2023年11月24日の新聞の100歳の千玄室さん