Royue

80キロ離れた独居の母の介護を中心に起こったこと、その後の施設入所後のことを書いています。

介護70:「涙がこぼれる老人ホームのお話」を読んで・・ほっこりがいい!

 

今回も図書館で借りたこの本、小島すがもさんという看護師さんが書いたものです。去年2022年11月発行で、いまや「クラスター」という言葉も、忘れかけていましたが、ちょうどコロナ禍での施設の対応をレビューしています。面会謝絶の影響やその頃の老人ホームで何が起こっていたのかが、ユーモアを交えて書かれており、その反省と当時の老人ホームの葛藤の様子がよくわかりました。まあ、ほっこりしたい時に読む本ですね。

ストーリー(線)のことを書くとネタバレになりますので、(点)の話というか、発見したことをいくつか書きます。

まず、私の母は今年2023年4月からグループホームに入所したのですが、コロナ前って面会がほぼ自由だったのですね。毎日、奥様の食事介助にかけつけるご主人のお話や、三世代の大家族で来て、大きな部屋で誕生日や記念日などの食事会ができたりと、今では考えられないような心の通い合う時代があったんですね。

私の母と同じケースですが、眼科は施設に医師が来れないため、家族が車でホームに迎えに行って通院し、その足で、回転ずしを一緒に食べに行ったりとかの話もでててきます。私も少し、参考にさせてもらおうかな?と思いました。コロナの時は、もちろん問題になって、結構内部でもめたらしいですが、今はどうなのでしょうね。

それと、遠隔地から家族が来た場合に、この本に出てくる施設では、家族用の宿泊の部屋もあったのですね。知りませんでした。コロナ禍では、この部屋はやむを得ず連続勤務のスタッフ用に転用した由ですが。

コロナ前に普通にできた家族とのふれあいが、ネットでのリモート面談で怒り出すご家族の話や、ガラスごしで面談しても既に忘れてしまっていた家族の話、寂しい話のなかにも、この看護師さんたちのその当時の葛藤や気遣いなどがあったのですね。

面白かったのが耳垢(みみあか)の話。秀逸でした。「さざえの蓋を開けて出てきたんです!!」という小話では、あるおじいさんが自分の小指の爪を切らせず、伸ばしてはよく耳に入れて耳かきをしていたのですが、それでできた耳のキズがかさぶたになり、文字通りサザエの蓋にようになって・・、わかりますよね。この人はその後、実は耳が遠いのではなかったのです?。

そういえば、母は、耳垢とりやっているのでしょうかね。

最後に、脳梗塞でホームに入ってきた元住職の亡くなった奥様の好きな曲が、「冷蔵庫の歌」? 答えを知る息子さんの面会もできず、コロナ禍でこれを聞きたいと言われたホームの方は色々考えるのです。ヒントは竹内まりやさん。「冷蔵庫の中で凍りかけた愛・・」。答えはこの本の中です・・。