Royue

80キロ離れた独居の母の介護を中心に起こったこと、その後の施設入所後のことを書いています。

介護71:映画「百花」を見て・・認知症のお母さんにとって大切な情景?

例によりUnextの31日間お試しの期限が近づいてきましたので、最後にこの映画「百花」で締めくくることにしました。

主演は、菅田将暉さんと私の世代の大女優、原田美枝子さんのW主演。この映画の作者の川村元気さんの「理系」という本を以前に読んだことがあり、名前を知っていたことと、発想が面白かったことや、この映画が認知症になったお母さんとひとり息子の話だったので見ることにしました。ネタバレになりますので、1シーン(点)の話を中心に書きます。

認知症になったお母さんの荷物を息子が整理している場面がでてきます。私も母が4月にグループホームに入所したため、さんざん整理をしてきました。特に写真や書いたものを見ると、ついつい手が止まるので一向に進まないのです。しっかりしていた母の過去の記憶に引き戻されるのですね。何ともせつなくて、空しいというか、うまい表現がないのですが、介護をしている方は、誰もが通る道なのでしょうね。この映画の1シーンの「思わずほろっと」なるのはよくわかります。私は、最近は整理を始めると精神的に疲れてしまうようで、やりたくない気持ちの方が強くなってきました。最初の頃は、写真もデジタルカメラに収めようかと思い、ほんの少しやってみたのですが、量に圧倒され、こんなもの誰が見るのかと考えると、すうっーとやる気が失せました。この頃は、衣類も含め、業者さんにまったく丸投げもありかと思うようになっていますが・・

この映画では、お母さんが、認知症になっても記憶に残っている過去の印象的な情景がキモなのですが、私の母の場合は一体何になるのでしょうかね。92年間生きてきて、そりゃたくさんあるのに、認知症になって記憶に焼き付いて離れない印象的で良い情景ってあるのでしょうかね。それぞれの人生の中で、凝縮された何かが残るのかもしれませんね。私には見えない部分や見過ごしていた何かが・・。

私は、言葉少なで、淡々とした感じの映画って好きなのですが、「ほろっと」させられる良い映画でした。

最後に、原田美枝子さん、たぶん30代から60代までの役をしておられ、かつ「老けメイク」までさせられているのですが、私の勝手なイメージで、あの若い頃のちょっと尖った感じの美人のイメージが強くて、そのままでいてほしいのですが、あの「老けメイク」はちょっと遠慮したいですね。

私もどんどん年をとっていっていますが、外見は他人からみれば、私自身が思うより、完全に爺さんなのですね。もう、どう思われようといい年なはずなのですが、まだ、悟りの域には達せず、気持ちだけでも抵抗したいのです。