Royue

80キロ離れた独居の母の介護を中心に起こったこと、その後の施設入所後のことを書いています。

介護78:ビジネスケアラーの番組をみて・・介護「当事者」でなければ!

2023年11月13日(月)の19時半から「ビジネスケアラー」に関するNHKの番組を見ました。司会は桑子アナで「クローズアップ現代」です。私は幸いにも、母の介護はリタイヤ後に起りましたので、もし、現役の時を想像するとどうなったのだろうかと思います。多分、会社を辞めていた可能性が大ですね。私の学生時代の友人も現役の時に介護の当事者の経験をした仲間がいましたが、それを聞いていた当時の私には、まあ机上の話だったですね。でも、今はその時の友人の大変さは、身に染みてわかりますね。

もし、会社の上司に介護のことを言っても、介護の「当事者」の経験があると、ないでは大違いだと思います。介護「当事者」と言う意味は、単に家族や親戚ではなく、直接的に介護をする人こそが、「当事者」と思います。私には、女房と同居の長女がいるのですが、母の介護に関しては「当事者」ではないと思っています。それぞれの家族によって事情は様々でしょうが・・。

実際に母と1対1で話をして、手探りで今後のことを慮り、最善の選択をしなければならない「当事者」なのです。住む家のこと、費用の負担のこと、「しも」の問題の処置、ケアマネとの折衝、医師との折衝、外部の介護支援のサポートのことなど、実際に自分の手でやっているか、決断をする人なのです。もし、会社の上司がこの「当事者」であれば、話は早いと思うのですが、その逆であれば、全く違うと思うのですね。まだまだ介護の実際は、育児ほどには、認知されていないと思いますし、経済的な事情や認知症の状況などにより、その解決方法もいろいろで複雑であろうと思います。

この番組で紹介された会社が2社ありました。一つは、「アフラック」の話で、若い女性の課長さんが、社内で「介護当事者の会」を企画されていました。もう1社の半導体の「エイブリック」は介護「当事者」であった常務さんの旗振りが紹介されていました。介護の仕事をしている人でも、自身の実体験がなくても、それはそれでまた違った見方で良いと思います。でも、ある日、突然に遭遇する認知症介護では、まず経験者である「当事者」の本音を聞くのが一番と思いますね。私も母の介護では、ほぼ兄のような「T兄ちゃん」に、細かいことをよく聞きました。

この番組で、今回、私が初めて聞いた言葉に、「保険外ヘルパー」がありました。遠距離介護のケースで、週3日のデイサービスでは心配なので、自費でヘルパーを週3日来てもらい、10割負担で月13万円というお話でした。仕事を続けるために、被介護者の年金や資産と、自身の収入との損益分岐点を考慮しての決断でしょうが、何かしっくりしませんね。費用を払えない人は置き去りですよね。介護「当事者」の大変さと、世間の認識はまだまだずれているような・・・。

私の母のことを心配してくれる親戚の中でも、母の話をしていて、「要介護4から2」になったという話をすると、要介護等級って?とか、それどういう意味?という人も中にはいます。介護「当事者」と、その周りの人との認識のギャップは、なかなか埋まりませんね。もし、会社の上司が、「要介護4」という話をして、「ピン」とくるようであれば、話は早いと思いますね。